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131.役員借入金を短期借入金へ計上するのは損?

2021年5月21日

金融機関から融資を受ける時には、必ず決算書を求められます。
その決算書が融資審査に重要な影響を与える事は御存じだと思います。
中小企業は、財務的にも経営者と一体と見なされておりますので、会社と経営者個人との間での金銭の貸し借りも審査に大きな影響を与えてしまいます。
経営者が会社から個人的な借入をすれば資金使途違反や公私混同などの問題になり、信用保証協会などは全額返済しないと次の保証が出来ないと言われるケースもあります。
ですから、経営者が会社から借り入れる事は止めた方が良いでしょう。
逆に、会社の資金繰りを支えるために経営者個人が会社に貸し付ける事があります。
これは、金融機関から見れば借入が増えたと言うよりも資本金の一部と見て、融資審査に有利になる場合もあります。
但し、それは長期借入金の欄に役員借入金と言う項目で計上している場合と言えます。
融資審査に於いて、社長からの借入金が短期に置いてあれば、1年以内に返済されると言う意味ですから、融資すれば社長への返済金に回る恐れがあるわけです。
運転資金として融資する訳ですから、経営者の懐に入ると思うと取り上げ辛い融資になってしまいます。
また流動比率(流動負債÷流動資産×100%)も短期借入金であればその分数値は悪化しますので、財務分析でいう安全性が悪く見えることになります。
寧ろ、この役員借入金を「長期借入金」と処理すれば、銀行側としては早期に返済をする必要の無い借入金と考える事が出来ます。
また銀行側の財務分析上で長期の役員借入金を自己資本に組み入れて判断する事もありますので、結果として会社の評価が良くなります。
一番簡単なのは長期借入金とは別に長期役員借入金の勘定を設ければ銀行員もいちいち聞かなくすみますので、良いと思います。

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