ブログ

119.M&A費用が安すぎるのは危険?

2021年1月22日

良くM&Aの費用を聞いて、もっと安い処はないかと探している方をお見受けします。
結論から申し上げれば、ある程度高い程、まともな傾向にあります。
勿論、高い割にそれ程ノウハウが無い場合もありますので、一定以上の料金体系の中からコストパーフォマンスの良い専門家を選ぶのが正解だと思います。
例えば税理士事務所を選ぶ時も同じですが、税理士と言う同じ資格ならば、安い方が得だと考える方がいます。
しかしながら、ハッキリ言えば安い税理士事務所は、資金調達をサポートする立場から言えば、あまり良いとは言えません。
3月の決算期に試算表を頼もうものなら中々出て来ませんし、決算での修正点をお願いすると業務範疇に無いと断られたり、時間が掛かって申告までに間に合わなかったりするケースもあります。
そのような基本的な事が資金調達の成否を決める重要なポイントになり得るからです。
しかしながら、それは税理士さんとしての能力が低い訳ではなく、料金が安いために沢山の顧客を抱えないと成り立たないので、1社に時間を割けないだけなのです。
毎月1万円の顧問料と3万円の顧問料では、3倍の顧客を抱えないと同じ売上を上げる事が出来ないからです。
実はM&Aも同じなのです。
中小企業のM&Aでも20万円の手数料と200万円の手数料では、20万円の方は1人で10社同時に進めないと200万円の売上は上がりません。
恐らく頼んだ方は、専任の担当者だと思っているかも知れませんが、半年から1年程掛かるM&Aを専任で20万円で受けて成り立つはずがありません。
10社も同時に担当している担当者が御社だけの事を考えて、御社に有利になるよう考えられる余裕などありません。
特に売却する方は、一生に一度の事を手数料が安すぎる処に頼んでしまうと複数社担当している一つとして事務的に進めるしかなくなってしまうのです。
御社一社に担当者が没頭して、出来るだけ高く売る努力をしてくれる時間を取れるのはどちらか少し考えて頂ければ解ると思います。
売却希望価格を自分で決めれば、その価格で売れると思い、それなら手数料が安い方が手取りが高くなるとあまりにも単純に考えている方が、実は最終的には安く売らされているのです。
手数料の安いFAは、一度に多くの案件を抱え、早く纏めて行かないと成り立たないのです。
早くまとめるには、買手の言い値に下げる交渉を自分のクライアントに行うしかないのです。
それを蹴って次の買手と交渉するのを嫌がりますし、場合によっては次の買手はいないとか、現れるのは何時になるのか解らないと脅される事になり兼ねません。
価格がこれだけ違うM&Aと言う商品も珍しいですが、価格にはそれに見合うだけの理由が必ずあります。
新車を買う感覚で、商品は全く同じなので、値引き額の大きい方を買うと言う感覚で選ぶと必ず損をする事になります。
ただ、初めての経験なので、その損に気が付かない方も多いので、それはそれで納得できるのであれば、何も言う事はありません。
折角、上手く行ったと思っている方にケチを付けるつもりは毛頭ありません。
これから、M&Aを考えている方に、参考になれば幸いです。

お問い合わせ

ご相談は、お電話またはメールフォームにてお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ:03-6717-4600
お問い合わせ

ページの先頭へ