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102.儲かる事業でも融資は受けられない?

2020年9月13日

コロナの影響なのか、ある程度の規模の事業を断念する方が増え、それを拾う人からの相談が増えて来ております。
普通であれば、事業を手放す時にはM&A市場を利用する訳ですが、まだ事業は計画段階と言うケースですと売却は難しく、知合いや取引先などに声を掛けているのではないかと思います。
例えば、霊園開発事業などは今月だけで3件も相談がありました。
お寺や神社などが所有する土地に開発許可を取ったものの、開発販売に掛かる費用を負担できず、その権利と土地を売却するようなケースです。
大概は億単位の資金が必要で、全て販売できれば数十億円の売上が立つようなケースです。
霊園開発事業に係わらず、このような儲け話は沢山あります。
それを個人や経験の無い法人で引受けるために資金調達の相談が来ます。
その殆どが融資で調達を考えております。
しかしながら、融資とは金融機関が預金者から集めた預金を貸し出すものですから、安全な事業にしか融資はできません。
安全とは担保や保証や実績です。
霊園事業の土地は山野などが多いため殆ど担保価値がありません。
少額であれば信用保証協会などの保証を付ければ融資は可能になりますが、いきなり億単位の保証は受けられません。
それでも、売却すれば数十億円になり、十分返済できると言うロジックで考える方がいますが、それには今までに霊園事業を何度も成功させた事があると言う実績が必要なのです。
霊園事業と考えると解り辛いですが、どんな事業にも成功するには、それなりのノウハウが必要なのです。
何の修行もしたことが無い人が、3000万円借りて寿司屋を開業すると言うのと同じぐらい危険な行為なのです。

では、そのようなケースではどうすれば良いのでしょうか?
経験の無い人が担保も保証も受けられない状態で資金調達するとすれば、可能性があるのは投資だけです。
投資資金を引き出すには、事業計画書がものを言います。
投資家向けの事業計画書を書くだけでもそれなりのノウハウが必要ですが、専門家に頼めばクリアーできます。
それを持って、ベンチャーキャピタルやファンド等を回る覚悟が必要です。
それでも、何の新規性もない事業を何の経験もない人が行うプランに投資する人は現れない可能性が高いでしょう。
ベンチャーキャピタルが経験の無い人に投資するとすれば、その事業の新規性と大きなマーケット需要がありそうな時に限られると思います。
そうなりますと、現実的な武器は情報だけと言う事になります。
まずは、情報発信元を押さえる事が必要です。
独占的媒介契約のようなものです。
それを持って霊園開発を実際に行っている企業に紹介して仲介料を貰うか、共同事業者として介入するかと言うのが最も現実的でしょう。
これは、霊園事業に係わらず、この手の話に共通して言えることです。

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