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45.融資が厳しい時代ほどメインバンクを明確に?

2019年6月28日

融資は、経済や政治や金融機関の環境変化等で緩くなったり厳しくなったりします。
元々、低金利時代が長く続き、金融機関の収益環境が悪くなっていた昨今に、スルガ銀行の「かぼちゃの馬車」問題に端を発し、西武信用金庫の反社会的勢力との係わりや不正融資の問題が発覚して、他の金融機関も金融庁の検査を恐れ委縮してしまいました。
それで殆どの金融機関が融資に慎重になって来ました。
たまに積極的な営業があっても他行の信用保証協会分の借換え提案であったりします。
このような環境時でも業績や財務内容の良い会社は、融資を受ける事ができます。
ですから財務改善や財務強化を行う事が最も有効なのですが、それ以外ではメインバンクを明確にする事です。
メインバンクと言いますと、単純に貸出金額が多い銀行と考えがちですが、その内容が適正でなかったり、コミニュケーションが取れていなかったりすると、こちらがメインバンクと思っていても肝心の金融機関側が思っていないと支援は受けられません。
例えば、メガバンクから保証協会付融資を5000万円受けているので、メインバンクと思うかも知れませんが、地銀から保証協会付融資1000万円とプロパー融資2000万円の合計3000万円の融資を受けているとすれば、地銀の方がメインバンクとして相応しいでしょう。
何故ならば、メガバンクは5000万円の内、80%に相当する4000万円は保証協会に保証してもらっていますので、1000万円のリスクしか取っていません。
それと比較すれば、地銀は3000万円の内2200万円のリスクを取って貸してくれています。
これだけリスクを取ってくれている地銀からは3000万円しか借りずに、殆どリスクを取っていないメガバンクから5000万円も借りている訳ですから、地銀にメインバンクの意識はありません。
更に、売掛金の入金先としてメガバンクを指定しています。
これでは、地銀は全くメインバンクとしての意識を持つ事は出来ません。
勿論、メガバンクは中小企業のメインバンクになるつもりはサラサラありません。
地銀にメインバンクの意識を持ってもらうには、売掛金の振込先をメガバンクから変更すべきでしょう。
更に、残りの保証協会の枠も地銀に使ってもらう事が重要です。
この他にも、給料の振込先や定期預金や定期積金などに協力する事も重要です。
ただ、一度に全てをメインバンクに差し出すと言う訳ではありません。
やはり、メイン、サブメイン、その他ぐらいの区分けは必要で、それぞれの金融機関にもバランス良く協力する気配りも必要です。
今の時代、メインバンク制は昔ほど機能しませんが、それでもお互いがメインバンクとハッキリと意識できるような付き合い方をしていれば、融資環境が厳しい時代ほど、それなりの機能を果たします。
例えば、金融環境が良くない時に金融機関3行と均等に付き合っている場合に各行に1000万円づつ合計3000万円の融資をお願いすると各行が見合ったまま、どこも動かないと言う事があります。
しかしながら、メインバンク、サブメイン、その他がお互いにハッキリしていれば、まずメインバンクに1500万円の融資の内諾を取っておけば、サブメインの1000万円やその他の500万円もかなりの確率で動く事になる場合が多いでしょう。
メインバンクが一番多くのリスクを取れば、他行も支店内や本部を説得しやすくなるので追従しやすい訳です。
ところが、3行が平等な立場であれば、金融環境の悪い中、何も率先してリスクを取る必要もありませんし、他行が追従しやすいように気を使ってくれる事もありません。
勿論、機能させるためには、どこをメインバンクにするかが大変重要です。
業績の悪い金融機関では機能を果たしませんし、業績は良くても石橋を叩いて渡るような慎重過ぎる金融機関もメインバンクには向いていません。
問題が起きるちょっと前までは、西武信用金庫さんは弊行をメインバンクにして頂いたお客様は絶対に潰さないと豪語していたぐらい、メインバンクの意識が高い金融機関でした。


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