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33.1法人1物件スキームはどうすれば良い?

2019年3月30日

1法人1物件1金融機関と言われる不動産投資のスキームの話です。
サラリーマンで、年収1000万円以上の高年収の方がその属性の良さを利用して、物件ごとに会社を設立し、初めての購入を装って別々の金融機関から融資を受ける事を1法人1物件スキーム等と呼ばれています。
これは一部の不動産投資家が成功した方法として、セミナー等で紹介して広まったスキームのようです。
最近、不動産投資家が財務や融資の専門家として金融機関から借りる方法を指南していますが、結構間違っています。
彼らは、たまたま不動産を担保にした融資に少し詳しいだけで、会社全体の財務強化や無担保融資の活用などは眼中にありません。
兎に角、短期間に物件を増やしたいと言う目的で融資を考えていますので、財務的には偏ってしまい、会社を健全に成長させると言う本来の目的を見失っています。
1法人1物件スキームで80億円も借りたという強者もいますが、いずれ破綻する事は目に見えています。
りそな銀行が調査し融資を止めたり引き上げたりしていますが、他の金融機関も追従するのは明らかです。
不動産賃貸業で成功した有名な会社と言えば、やはり森ビル株式会社でしょう。
上場は勿論ですが、公募ハイブリット社債(劣後特約付社債)等を使い超長期で調達して財務基盤の強化をしながら、大型物件の開発を行っております。
このように不動産賃貸業の大先輩で大成功者が、正しい方向性を示している訳ですから、規模は小さくても方向性はそこから学ぶべきだと思います。
1法人1物件で財務基盤の弱い会社を沢山造っても、それは烏合の衆と言うべきで強い会社になる事はありえません。
それどころか、いずれ融資を引き揚げられるか融資を受けられなくなり、破綻するか最悪は訴訟になるでしょう。

では、抜け出すにはどうすれば良いのでしょうか?
それはケースバイケースではありますが、業績が良ければそれなりのツールを用意して正面突破しかないでしょう。
問題は業績の悪い会社が複数ある場合ですね。
複数社でキャッシュフローが足りなくなれば、信用保証協会を使った融資を申し込めば、その経営者の借入額が大き過ぎる事が判明してしまうでしょう。
業績の良い会社で借りて、直接業績の悪い会社に貸し付けても、社長経由で貸し付けても今度は業績の良い会社も借りられなくなります。
業績の悪いキャッシュフローの回らない会社が複数ある場合は、単独の会社で複数の収益物件を抱えている会社より、早く倒産すると言えます。
1社で複数の収益物件を持っていれば、黒字の物件の収益を赤字の物件へ回せますし、運転資金もバラバラに保有するよりも沢山借りる事ができるからです。
処が1法人1物件スキームを使った経営者は、そのようには思っていません。
会社を分けていれば、駄目な会社は潰しても、どこかが残って規模が縮小しても正常に経営できると思っているので、事業再生とは考えていません。
1法人1物件スキームの場合は、1社資金繰りが回らなくなると芋ずる式に駄目になって行きます。
1社複数物件方式なら不採算の物件を売却して、その赤字を埋めるための融資を受けて再生することが可能になります。
何れにしましても早めに専門家に相談された方が良いでしょう。







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