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20.財務改善で、ここまで差がつく?

2018年11月30日

財務改善と言いますと漠然としていて、何となく業績が悪い会社を立て直す手法なのかなぐらいの感じではないでしょうか?
実際には、業績の良いある程度の規模がある会社に最も目に見える効果があるかも知れません。
規模が小さくても財務改善を怠らない会社には、それなりの効果があります。
例えば、年商1.5億円の会社が債務超過300万円と言う状態で、銀行融資を何度申し込んでも断られて資金繰りに困っていました。
それなのに、この会社の社長は500万円の自家用車を現金で買おうとしていました。
それでその500万円で増資し、車はローンで買ってもらうようにしました。
このように言いますと当然な事だと言う方がいますが、本人は会社には1500万円必要で500万円ではどうしようもないと思っていたようです。
案外と資本政策を考えていない中小企業の経営者には思いつかない方が多いと言えます。
この例は解りやすいので、ご紹介しましたが、減資や自社株買や繰延資産や社債発行や資産の流動化や会社分割など、普段馴染みのない手法をどのような場面でどのように使えば良いかご存知の経営者は中々いません。
恐らく、顧問税理士事務所の先生ですら、そのような提案はされないと思います。
簡単に言えば、それが財務と経理(税務)の違いだからです。
つまり中小企業の多くは、経理(税務)は行っているが、財務は何も行っていないのです。
ですから、赤字や儲けの少ない会社は資金繰りに困ったり、儲かっている会社でも大きな仕事に取組めるだけの資金は調達できません。
先ほどの例に出した債務超過300万円の会社ですが、500万円を増資して資産超過200万円とし、定款を書き直して200万円の営業利益を追加して、銀行政策を練り直し、事業計画書を提出して2000万円を調達しました。
その後も財務改善を2年間続け、金融機関から5000万円を借りて欲しいと売込みに来るようになりました。
社長は今まで金融機関から融資を断られた事はあっても借りて欲しいと頼まれた事がなかったので、借りても良いですかと電話がありましたが、丁重に断るようにアドバイスしました。
決算前に使い道が決まっていない融資を受けて、わざわざ財務内容を悪くする必要がないからです。
借りるのであれば決算後なのです。
ここまで財務改善が進めば、金融機関の方から融資の売込みに来るようになります。
勿論、この先も改善を続け、経営者の個人資産を増やし、私募債等の社債が発行できる財務内容を達成し、その内容をキープする事で、返済不要の資金が借りられるようになります。
このような財務の目標を掲げて経営している中小企業は殆どありません。
だから資金に困ったり、やりたいことを実現するのに時間が掛かるのです。
多くの中小企業の経営者が勘違いしているのは、財務の相談を分野が全く違う経理(税務)にしている事です。
相談された税理士事務所も分野が違うにも係わらず、少ない知識や情報の中で指導してしまう場合も多いので、経営者はそんなものかと思い諦めてしまいます。
これは、上場会社を見れば直ぐに分かります。
財務部と経理部があるからです。
経理で財務の仕事ができるのであれば、分ける必要もない訳です。
名前や雰囲気は似ていますが、全く違う分野であり時には決算方針に対して対立するぐらいに意見が違う事もあります。
何でもそうですが、売上を上げるにはやはり目標が大切で、その目標をどのようにして達成するかを考えなければなりません。
目標があれば、それを達成するにはどうするか考える事になります。
それは財務も同じで、目標のある会社と漠然と経営している会社では、いずれ大きな差が付く事になります。
同じ規模でライバルだった会社が、10年経っても相変わらず融資が中々受けられない会社と財務目標を達成して元金返済不要の資金を手に入れる事が出来るようになった会社と同じ土俵で戦えるでしょうか?
資金に余裕があれば、顧客の支払サイトを受け入れ資金繰りの苦しいライバルが下りる仕事も受ける事ができます。
財務強化は、商品開発や営業強化にもつながるのです。
何事も資金がなければ始められないからです。
中小企業が大きくなれないのは、財務に興味がない経営者が多いからです。
年商1億円を超えたら、少し財務の事を考えて見たら如何でしょうか?

 

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